ソーシャルゲームディレクターの思考分解

ソーシャルゲームのディレクターが思ったことをつらつらと記載

AppBank赤字で買収か倒産か選択を迫られる

パズドラで有名になった
マックスむらいの
AppBankが赤字で
買収か倒産?
AppBank_LOGO

 
マックスむらい率いるAppbankが
現在3期連続赤字を経常し
買収か?倒産か?という
情報がまとめサイトを駆け巡った。
一時期一世を風靡したパズル&ドラゴンを
プレイしながら動画配信する。
まさに今、流行りのユーチューバーの先駆け
とも言ってよいマックスむらいの会社
AppBankが経営の危機に瀕している。

ここでは下記5つについて
詳しく説明していきたい。
  1. :AppBankが倒産危機と騒がれたわけ
  2. :AppBankの事業
  3. :AppBankの近年の決算状況
  4. :AppBank今後の決算予想
  5. :AppBank奇跡の復活はあるのか?
を順番にお送りいたします。
では行ってみましょう。
 
 
 
何故、今経営の危機に瀕している
という情報が出てきたのか?
 
それは四季報に記載された
企業の継続性にリスクがある企業一覧という
ページにAppbankが記載されてしまった
ことに起因する。

企業の継続性にリスクがある企業一覧とは
単純に倒産する危険性があることを
示し、3期連続赤字は倒産の危機というが
Appbankも漏れなく3期連続の赤字となり
倒産の危機に瀕しているわけだ。

それを発見したまとめサイトの住人が
広めた結果となる。





AppBankの事業はどうなっているのか?
 
BusinessModel

まずざっくりいうと
現在の収入源は
・メディア事業
 AppBank.net
http://www.appbank.net/

・Appbankストア
https://www.appbankstore.jp/

この2つしかない。


2014年頃にはゲーム事業も存在したが
現在はなくなり
収入源にはなっていない



まずメディア事業だが
主に2つの構成で成り立っている
1つはゲーム会社から広告費を貰い
Appbankのユーチューバーが
動画を配信しユーザーを集めることで
メディアとしての機能を果たすこと。

もう一つが
ゲーム攻略記事や紹介記事を書いて
それに合ったゲームの広告を貼り
ユーザーを集めつつ
クリックや成果報酬型の収入を得ている
と思われる。

しかしこのメディア事業も
元々はマックスむらいという
人気ユーチューバーがいて
そこに集まるユーザーが
動画や記事を見るというのが
Appbankの主な流入になっており

マックスむらいの人気に陰りが
見え始めた現在その流入
当てにならないのが現状だ。



 
もう一つの事業
Appbankストア
だがこちらは
スマートフォンのアクセサリー販売を
実店舗とWEBサイトの両方で行っている

しかし近年
Appbankストアの実店舗は
池袋、品川など閉店が相次ぎ
規模を縮小してる状態だ。







 
では決算状況はどうなっているのか?
決算

AppBankの決算3期連続赤字
AppBankの決算ですが
まずは平成30年12月期 決算短信
ですが売上が前年比減 
経常利益は赤字幅を縮小
しかし3期連続の赤字となり
分かりやすく言うと銀行からお金を
借りにくい状態となっている。

※お金を借りれない=赤字(借金)を
返済できない=倒産
となる
売上高

また営業利益が年々縮小してるため
今後赤字幅が拡大する恐れが
あるためさらに資金調達を
難しくしている。

そこでAppBankが打った手が
新株予約権という名の
MSワラントです。




MSワラントとは

新株予約権の一種で、
行使価額修正条項が
付与されたもの。
新株予約権は一定の価格で
新株を取得できる
権利であることに対し、
MSワラントはその権利行使価格を
修正することができる。
日本語では「行使価額修正条項付新株予約権
と呼ばれ、「MSSO」と
称されることもある。


新規株発行

IRの報告にも
第4回新株予約権行使価額修正条項付
と記載されておりMSワラントであると
記されています。


分かりやすく言えば
銀行からお金を借りられないので
自社の株を大量に発行し
Appbankはその株を
別会社に売ります
これで資金を得ます。

売られた側の企業は
そのAppbankの株を
すぐさま株式市場で
売却することで収益を得る
という構造です。


もちろんデメリットは存在します
一番被害を被るのは
株を保有していた
既存の投資家です。

Appbankから株を受け取った
企業はすぐさま売却する
わけですから株価が急落します。
当然元々Appbank株を持っていた人は
元の価値より下がりやすい
状況になるのです。
 

ではそんな痛みを伴って
得た金額はどれくらいか?



集めた資金はおよそ
157,400 株×約334円
=52,571,600円
5257万円である
Appbankの年商が約10億ですから
正直微々たる額です。

しかし何か新規事業を
展開するには十分な額で
例えばバーチャルユーチューバー
ブロックチェーン事業など
で小規模から展開するには
十分と言えます。

つまりここで得た資金を
借金返済に当てている場合
マジで倒産危機が迫っている

逆に新規事業投資であれば
まだ復活のチャンスあり
とみるべきなのです。




 
 
AppBank奇跡の復活はあるのか?

ではAppBankに奇跡の復活劇は
あるのでしょうか?
答えから言うと
正直厳しい

少なくとも今年一杯は厳しい状況が
続くのでは?と予想される

というのも

仮にバーチャルユーチューバー
なりブロックチェーン事業を始めても
すぐさま利益が出る物ではありません。

特にメディア関係、
ユーチューブやWEBサイトは
まずそのメディアのファンが一定数
集まりそしてそこで生まれた
スターによって一気にユーザーが激増
する物です。

よって物を売るのとは異なり
売上がきちんと上がる状態に
持っていくまでのスパンが長く
パズドラの時もマックスむらいが
爆発的人気になるまで半年近く
掛かっていたのを
記憶しています。

例えば
現在の事業と相性の良い
バーチャルユーチューバーの場合
キズナアイを筆頭に
トップ10に入って初めて
30万ユーザーのファンがいる
状態となるのです。

30万のファンとは
AppBankのユーチューバー
マミルトンと同程度
となります
これは・・・なかなか厳しい



 
 
まとめです
AppBankは現在窮地に立たされており
直近の資金調達を行った物の
その資金がどこに当てられるかによって
今後の運命が決まりそうです

直近の第1四半期決算で
何か新規事業の話が無ければ
私は積みと予想しています。

※投資はご自身の判断でお願い致します。
ここで記載されていることは私の経験に
基づく予想値であり
決定事項ではありません


 


しかし自分が経営者であれば
事業の縮小を検討すべきかと
実店舗は今後幅が広がるわけがないので
全店閉店し社員はメディア側へ移行

店舗代金など無くし
WEB媒体で売上の増加を狙うため
インスタやTikTokを含めて
メディア展開でアクセサリーを売る

ユーチューブ側は
バーチャルユーチューバーを
作成し種をまき今後の収益に

ゲーム攻略は
正社員だけでなく委託の人員に
差し替えていき
ゲーム以外のスマホアプリという
大枠でとらえた記事を書く
サイトを別途展開
とすべきかと思います。


コストのカット
収入源を増やす
未来への種をまく
これが経営として基本だと
思うのですが・・・


果たしてAppbankは
倒産や買収を避ける
手は打てるだろうか。

今後の第1四半期決算は
注目すべきターニングポイント
と言える。
 
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