ソーシャルゲームディレクターの思考分解

ソーシャルゲームのディレクターが思ったことをつらつらと記載

小学生のなりたい職業 ゲーム制作関連

小学生のなりたい職業 ゲーム制作関連

小学生のなりたい職業 ゲーム制作関連第4位という
記事がありそれを踏まえちょっと記事を書いて
見ようかと思う。

ゲーム業界以外の人に知ってほしい
勉強が苦手であまりしゃべらない子なのですが
ゲームが好きなのでゲームクリエイターにしたいんです
っていう親御さん

一つ言えることは
勉強できないならゲームクリエイターも無理でっせ

それについて少し今日は書こうと思う

まずは下記の記事を見て頂きたい。
小学生のなりたい職業 
ランキング第4位がゲームクリエイター
232526
なんかそういう時代になったんですね。
自分は小学生、中学生とゲーム作りたいと思っていたけど
周りのチャラい人たちに笑われてましたね。


今の親御さんでも当然子供がゲームクリエイター
なりたいというなら親もそうさせてあげたいというのが
常だと思います。

ただ、普通のIT会社に行く方が楽ですよ
というのを実例交えて話します。

目次
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①派閥争い
②しゃべりがうまい人が出世する
③ゲームの開発技術は10年と持たない
④やはり学歴を見られる
⑤内気な子は精神壊れる
⑥まとめ

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その①:派閥争い
派閥

これはゲーム会社の開発環境による問題も結構
大きいのですが大手ゲーム会社ならどこでも
発生してるのが派閥争いです。

1つの部署に人材が留まり易くまた守秘義務の問題で
横のつながりが薄く技術共有もさほど行われない
のがゲーム開発の特徴です。

そんな中下っ端として働いているうちは
何も気がつかないですし影響はないのですが
マネージャークラスになると徐々に
派閥という影響を受けます。

実例としてどんなことが起きたのかと言うと
まず第A開発部の部署が分離し
別会社を立ち上げることに

それに合わせて第B開発部と同じ様なジャンルになるから
第B開発部の人材はほぼ全員分離する会社へ移行でいいでしょ

という話になり第B開発部の部長はマネージャーから部下まで
すべで引っこ抜かれる事態に。

しかし力関係で第B開発部より第C開発部が弱く
また近しいジャンルを手掛けていたこともあり
第C開発部の主力部隊を第B開発部がすっぱ抜く

結果第C開発部は主力を失い売上的に苦戦する
という事態になりました。

でもこれは名前を聞けばある程度みんな分かるような
大手ゲーム会社で起きたことです。

これが40代や50代のおじさんと呼ばれるような
部長やマネージャークラスにホイホイ発生するのだから
安定なんてどこにもないです。

この派閥争いというのは自分もしていたので
わかりますが重要なのが
誰かから頼りにされる=恩を売りまくるのが結構重要
アホではいかんのですよ。とりあえず恩を売っておくと
裏切り難いということもあり火の粉が飛びにくいという
予防線を張れる。

という具合になんかゲームのことだけ考えたいんですけど
そうじゃないんです現実は。


この恩って言うのはゲーム開発では
人手が足りなくなったりした時
別部署から借りたりします。

ただし名目上その人材は自分の部署に所属しているため
その分のコストは自分の部署持ちだったりして
この人数かけてるのに開発遅くない?と
社長から突っ込まれたりします。

社長に目をつけられるのもリスクですが
先ほど書いたように仲間だと思ったやつに
後ろから刺される方が致命的
(自分の部署から部下をすっぱ抜かれる)
になりやすいため恩を売って仲間として
完全に引き込んでしまった方が少し安心です。
※それでも多方面から刺された自分がいますけどね

こういう発想から派閥争いが生まれ
かつゲーム開発で失敗したら社長や株主(と称した会長)から
睨まれクビが飛ぶわけです。



その②:しゃべりが上手い人が出世する
喋り上手

まあここら辺は普通の会社でも発生することだと思いますが
何か結果を出したらか出世するとは限らず
どっちかといえばゲームクリエイターとして話が上手い人が
出世していたように思いました。


何でかと言うと
しゃべりが上手い人の周りに人が集まりやすい
というのと仲間ができやすい⇒小さい派閥
出来上がりそのしゃべりが上手い人の評価が
相対的に上がるんですよ。

学校で言う友達が多い子の方が
意見が通りやすい的な状況です


ゲームクリエイターは寡黙な人も多く
自分から話すということをあまりしないんですね。
なのでお喋りな人に人が集まる。

さらに社長を踏まえたMTGでも話が上手い人は
割とずっと喋っているので
内容はともかく何かアイツゲームのこと良く考えてるな
が出るので結果的に出世します。

なので大人しい感じの子でゲームクリエイターになりたい
という人も結構いると思いますが
苦しい思いをしますよ。

だって自分がどんなにいいプログラムコード書こう
どんなに素晴らしい絵を描こう
どんなに素晴らしいアイディアを考えても
出世するのは話が上手い人なんですもん。

自分は寡黙ですが
MTGだけは割と芯を捕らえた意見を
言うように心がけていたのが
評価されていたと思います。

とりあえずあいつに聞いとけば何か良さそうな
意見くれる的な感じです。


その③:ゲーム開発の技術は10年ともたない。
技術

普通の会社に勤めてる方は自分の会社に専門の顧客やリスト
などがあってその会社に的確に営業して
収益を毎年上げるということが多いと思います
※私の想像ですけど

ゲームクリエイターの場合
概ね10年したらその技術が古くなって役に立たない
という事態がチョイチョイ発生する業界です。

一昔前だと
WIIプレイステーション3では
開発環境が全く違いましたし
ゲームエンジンと言って
なんて言うんだろう、うーん

料理で言うところの
ガスコンロなのか電子レンジなのか
電気コンロなのかみたいなもので

料理をするための大本の器具=ゲーム開発エンジン
何のですがこれが全く違うんですよ

料理だってガスコンロで料理しろって言うのと
電子レンジで料理しろって言うのでは
同じ料理でも全く異なる扱い方になると思います。

で、この器具の部分はそれこそ
今までは5年に1回変わってたんです。

勉強しないで何とかなる世界じゃ無いのは何んとなく
想像して貰えると思います。

最近はこの器具の部分が万能なユニティとアンリアルエンジン
と呼ばれるものが出てきて10年位は持つと思います。



その④:やっぱり学歴を見られる
学歴

一応クリエイターなので結果がすべてではあります。
学歴は関係ないというのは確かにそうなのですが・・・

大手のゲーム会社新卒の内定者を見ると
プランナーなら中央大学、青山学院レベル
デザイナーなら東京五美大以上
プログラマーなら電気通信大学とか筑波大学とかのレベルになります


ちょっと大げさに書いてはいますけど
でも見てるとやっぱりこれくらいの人が
受かってるんですよ。

なので勉強が苦手だからゲーム会社へ
と言うとちょっと難しい
今は人手が足りないので内定取りやすいですけど
ゲームプランナーの場合
下手すると3000倍くらいの倍率
あるので
やっぱり勉強も頑張って
同じ土俵で戦う気持ちでいないと
なかなか難しいです。

中小企業の何を開発しているかわからないような
会社でもいい場合は全然専門学校でも内定出来るので
そこの落差は結構あります。

がそれでも勉強はしないとダメですけどね
ゲーム系専門学校にいって就職先が
ヤマダ電機、ケーズ電気というのは良く聞きます。
いい就職先だとは思いますが・・・


ゲームクリエイターになれない場合は
そもそもゲームと関係ない電機系かIT系に
行くことになるということです。


その⑤:内にストレスと貯め込む性格だと精神壊れる
utubyou

晴れてゲームクリエイターになって
すごく充実した日々を過ごす人も多くいます。
その一方で精神的にやられる人が多いのも
この職業の特色

精神的に壊れるのは
ゲームプランナーかプログラマー
どっちかです。
デザイナーでうつ病はあまり聞かず
デザイナーはみんなピンピンしてます。


たぶん原因の一つが労働時間の長さです。
自分がゲームプランナーとしてMAXで働いていた時
当時25歳くらいかな
1か月労働時間400時間それを連続3カ月くらい
家に帰れず、風呂にろくにはいれず

寝るのは冷房がガンガン効いてるくそ寒い会議室の
ソファーで5時間くらい寝る。
※寝るというか横になってるだけかも?

会社のトイレの洗面台で頭を洗い、
歯を磨いてました。

そして思うんです。
会社から家に帰るとき『行ってきます』
会社に出社したら『ただいま』って言いたくなるよね
ってチームメンバーと話してました。

さすがに風呂入りたいな~って時は近くの
ホテルに行って風呂に入りふかふかのベットで
寝れるのが幸せでした。
※この時点で頭狂ってるとしか言いようがない


そんなむちゃくちゃなことをしてると当然
病気になります。
自分はその時蜂窩織炎(ほうかしきえん)という病気に
両足ともなり
徹夜しながら2日に1回近くの病院で
点滴を打ち特に右足が腐りそうになりながら
働いてました。
今でも跡が残っています。

あし
小汚い足ですみません。

それだけハードだと当然過労死する
寸前なので心臓が何かおかしいんですよ

ドクッドッドクドク的な波が来ることがたまにあって
マジでやばいと思ってお金を使ってでも
ホテルに泊まらないと死ぬって思いをしてました。

今は労働基準法が厳しくなってきてるので
ここまでハードではないですけど
やっぱり土日出社や終電帰り(12時くらいの電車)は
普通にあります。

でこういう環境なのでストレスを
内に溜める人から壊れていきます。

大体のゲームクリエイターは趣味ゲームって
人多いんですけど精神的に病んでるときに
ゲームって最悪の組み合わせなんですよ

理由は別記事で書こうと思いますが
取り合えす座りっぱなしってだけでも
結構ストレスかかるものなんです。


なのでゲーム開発でストレス抱える
⇒家帰ってストレス解消にゲームする
⇒その結果深夜遅くまで起きてる
⇒睡眠時間が削られ朝遅い
⇒生活サイクルが壊れてる

結果:うつ病になりやすい環境の出来上がり

誰かと話したり、外を散歩したり
内向的な人より少しアウトドアな
体育会系の人の方が実は向いてる職業かもしれない
実際ジムに行って体をムキムキに鍛えてる人も
結構います。
まっちょ

そういう人の方が意外と仕事もできるんですよ。
※自分はお腹ぷよぷよですけどね。



そんな何か寡黙で勉強も出来ない子には救いようの無い
業界なのかといえば何とかならんこともない。

デジアナー

方法としては
勉強が出来ないとして専門学校に行って
デザイン(CGモデリング)かプログラミングを習いつつ
就職先は中小企業ですごく人がよさそうな社長の会社を選ぶ

という形で内定出来れば
会社規模が小さい&雰囲気の良い会社なら
多少寡黙でも周りの人たちが
自然とフォローしてくれます。

特に勉強が苦手だという子であれば
デザイナーをお勧めします。
デザイナーは使う道具が
ほとんど変わることがないので習得まで
じっくり時間がかけられますし
プログラマーみたいに数学や物理、英語を
必要としません。
※デザイナーでも多少英語が必要ではありますが
慣れれば何とかなります。


こっかく

ただ生物学というか人体の骨格とかそういう部分は勉強が
必要ですけど目で見たものを表現するので
勉強というより修行って感じですね。

なので勉強が多少出来なくても
人の意見を真面目に聞いて
数学とが英語ができなくても
生き物が好きならデザイナーで食っていけます



★まとめ★
ゲームクリエイターになりたいという
お子さんをお持ちの方はまず子供に教えてほしいのが

●勉強しないとそもそもなれないよ

●しかも英語、数学は結構必要になるというか
使ってる機材の言語が英語、仕事内容が数学&物理です

●自分が作りたいゲームはなかなか作れないよ、一部の天才だけが作れて
それ以外の人は普通のサラリーマンとなんら変わらない
売れそうな商品を作って必要な対象に売るのがゲーム業界

●自分の好きなこと出来て楽しそう!⇒自分の好きなこと出来て楽しいけど
時には自分の嫌いなことしかできない場合が多いよ
※私は数学嫌いですけど戦闘計算式の計算をずっとやってたりします。
※私は派閥作るの嫌いですけど、同じ会社の人間と戦わないとけない状況でした。

●ゲーム毎日出来て楽しそう⇒毎日毎日1日8時間マリオのノコノコを
踏みつぶして踏み心地がいいかどうかやりたいですか?
でもねそれが仕事なんです。
※大げさだけどそういうことをしています。

こそだえ

ゲーム会社に行きたいという子供をお持ちな人は
ゲームが好きかどうかは重要じゃなくて
どっちかというと何かを作ることが好き
そういうところを見抜いて育てていって
あげてほしいところです。


以上です。